
【メソッド頼りで生きない】PDCA×Webデザイン
私は、◯◯メソッドとか△△の法則みたいなのはあまり信用していません。
必ず上手く行くやり方があるなら、こんなにメソッドが量産される世の中にはなってないはずだからです。
何事も、ベストのやり方は人それぞれ違うはず。
ただ、それを見つけるための手がかりとしては、既存のメソッドも役に立つのかもしれません。
今日は、デザインの上達とPDCAの関係についてお話しします。
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PDCAとは
PDCAは、各種業務管理を継続的に改善していく手法です。
企業やチーム等、複数メンバーが参加する環境でよく用いられます。
Wikipediaによると、そのルーツはアメリカの統計学者であるデミング博士による1950年代の講演内容にあるそうです。なかなか歴史があるんですね。
PDCAは4つの工程から成り立っていて、アルファベットがそれぞれの頭文字になっています。
アルファベットにはバリエーションがありますが、ここではWikipediaの内容に合わせます。
・Plan:計画
・Do:実行
・Check:評価
・Act:改善
Plan:計画
目標を設定し、それを達成するための計画を立てるフェーズ。
Do:実行
Planで立てた計画を実際に行うフェーズ。
Check:評価
PlanとDoに対して、目標が達成できたか、どの程度達成できたか、計画通りに実行できたか、といった評価を行うフェーズ。
Act:改善
評価を検討し、改善を行うフェーズ。
PDCAサイクル
PDCAを一巡したら、より一層の向上を目指して新しいPDCAをスタートします。
こうしてPDCAをいくつも繰り返して、業務をアップグレードさせていく循環をPDCAサイクルと言います。
PDCAのコツ
具体的かつ現実的に、淡々と進める事がPDCA成功のポイントです。
明快な定義
目標や計画、評価基準は、数値化・定量化した具体的な内容(2%アップ、1時間短縮する、など)にします。
現実的な内容
現在地から見て、実現の可能性が十分ある目標や行動を設定します。
計画通りに実行
決めた通りに実行します。アドリブはなし。
途中で新しいアイデアが浮かんだ場合は、次のPDCAに回します。
PDCAのメリット
一連の流れの中で、迷いが出ないのがPDCAのメリットです。
目標と行動が明確になる
数値目標や具体的なタスクが事前に計画されているので、何のために、何をするのかがハッキリしています。
淡々とタスクに集中できる
PDCAを使えば、途中で何をすればいいか見失ったり、場当たりで行動する事はありません。
差分がわかりやすい
PDCAの各フェーズは数値・定量化されているので、目標を達成できたのかできなかったのか、できなかった場合はその未達率はどのくらいかなどもクリアにする事ができます。
PDCAのデメリット・注意点
PDCAは、それ自体を上手く作らないと正しく機能しません。
非具体的な目的には当てはめにくい
目標・行動・評価指標等、全てが明確にされていないと結果の捉え方もぼんやりになってしまうため、最終目的である改善に繋げる事ができません。
PDCAの設計自体に時間をかけてしまうパターンも
目標数値をどのくらいにするか、どんなタスクにするか等、要するにPDCAの内容を考える事が一つのプロジェクトになってしまう事がよくあります。
PDCA自体がいつまでも実行できないのでは、意味がありません。
PDCAとOODAの違い
PDCAと合わせて紹介されるものとして、OODA(ウーダ)があります。
OODAは迅速な意思決定を行うための手法なので、PDCAとは利用シーンが異なります。
デザインとPDCA
PDCAは古い?
PDCAは一つの手法ですから、目の前の状況や自分自身に上手くハマるのであれば、新しいも古いもなく活かしていけばよいのではないでしょうか。
適用の対象・設定を間違えない
PDCAの基本は、目的や作業を数値化・具体化し、決めた作業をとにかくこなす事にあります。
制作作業では、この数値化・具体化が難しいフェーズもあるので、PDCAを活かすなら確実に測定できる内容に対して採用しましょう。
例えば、バナー制作において、
「○時間以内に完成させる」
という目標は、数値化という意味では正解ですが、時間内に完成させるためにどうすればいいのか、具体的に行動に落とし込むのは難しそうです。
対して、
「制作の時間を3時間取る」
であれば、バナー自体は完成しないかもしれませんが、目標自体は達成できそうですし、行動にも起こしやすいです。
また、
「一週間でバナーを1つ作る」
のように、成功確率が極めて高い、ゆるい設定にしておくのもおススメです。
これらは決して甘やかしではありません。
デザインやライティング等の制作・創作活動は、慣れてくれば必ずコツがつかめ、スピードが上がります。
「○時間以内に完成させる」は、その時の目標として取っておけばいい。
始めからストイックな目標を立てて挫折するよりは、自分の現在地を把握して、そこから少しずつ仕上げていけばいいんです。
プランニングはさっさと
デメリットでも触れましたが、計画を立てる事だけに一生懸命になったり、そこに時間を使いすぎるのは本末転倒です。
計画自体に迷うなら、まずはとにかく無条件・無計画でバナーを一つ作りましょう。
ここで費やした時間を起点にして、次の計画を立てればいいんです。
初回で6時間かかったなら、次は5時間を目指す。これであっという間に目標が定まります。
考えすぎて動けないよりは、行動して失敗する方がいい
また、達成できない事を恐れて、実際に行動に移せないのもよくあるパターンです。
達成できなかったなら、その改善が次の課題になる。これがまさにPDCAサイクルです。
どんどん実践していけば、必ず的確な計画を立てられるようになります。
いいからさっさとやろう
メソッドは自分で作るもの
世の中にはたくさんのメソッドが日々誕生していますが、万人を満足させるものがないからこれだけ量産されているのでしょう。
「デザインセンスを伸ばすには」
「独立する方法」
「ビジネスで成功する法則」
誰もが確実に結果を出せる術があるなら、とっくにみんな思い通りの人生を歩めている。
何かを真似てもダメで。
権威ある人のアドバイスを聞いてもダメで。
それでも何とかしなくてはいけないから、ジタバタともがく。
守ってきたルールを崩さざるを得なくなる。
こうして止むを得ないオリジナリティが入った時、既存メソッドは自分メソッドに変わります。
そうして自分仕様のやり方が見つかった時、目の前がパッと切り開かれて、全てが進み始める。
私の人生がそうでした。
自分メソッドは本人にしか効かない
私は、デザインの発想法や、上手くいかない時の解決法などを自分なりに持っています。
どこまでを計画的に進めて、どこまでを感性に任せればいいかも、感覚的にわかっています。
そうした事について、どうやるの?どう考えればいいの?と人に聞かれます。
だけど、こういうのって体感として理解しているものなので、誰かには伝えづらい。
伝えた所で、相手に有効なのかもわからない。
なぜならこれは、私のメソッドだからです。
創作のためにメソッドを求めても、結局メソッドを創作する事が必要らしい。
それにはとにかく実践あるのみです。
手を動かしましょう。さっさとやりましょう。
まとめ
- PDCAとは業務管理を継続的に改善していく手法
- Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)の4つで構成されている
- 制作で活かすなら、目標や行動、評価が具体的に確認できる内容を
- PDCAの計画自体で満足しないように
- 既存メソッドの信者になるのではなく、手を動かして自分のメソッドを見つける
PDCAだけでは、きっと成功できないでしょう。
ただ、自分だけの成功メソッドを見つけるために、PDCAは役立つかもしれません。