
【ただ作ればいいという仕事はなくなる】それでもプロのWebデザイナーとしてやっていくには
バナー制作もWebデザインも、スマホや安価なサービスを使って簡単にできる時代になりました。
IllustratorやPhotoshop、HTML/CSSも、昔ほど特別ではなくなっています。
結果、一部の制作案件は減りつつあります。
そんな時代にプロの制作者としてやっていくには、何が必要でしょう。
当サイトには、広告が含まれているページがあります。
誰でもバナーやWebサイトが作れるようになった
Webデザインも動画制作も。
以前は専門の技術やアプリケーション操作に関する知識さえ持っていれば、そうした仕事に携われる時代だったと思いますが、最近はそうも行かなくなくなってきました。
背景には以下が考えられます。
・手が届きやすい価格(もしくは無料)の制作サービスやアプリケーションが増えた
・ハードの性能向上(スマホだけでもキレイな写真を撮影できる等)
Webデザインの話に特化すると、少し前であれば、ビギナーにはちょっと高額なAdobe系の所持が必須、スクールも長期で通うコースがほとんどだったため、始めるにはなかなか覚悟が要ったと思うのですが、最近ではアプリケーションの選択肢、学び方のバリエーションがかなり増えました。
それどころか、わざわざ学ばずとも、ちょっとしたバナーならスマホの無料アプリで簡単に作れてしまいますし、Wix等をつかえば、専門知識ナシでWebサイトを立ち上げる事もできます。
減りつつある案件の特徴
「今まではバナーやLP制作を外注していたのだけど、これからは自分で作って経費を削減したい」
という目的で私のセミナーに参加される方、たくさんいらっしゃいます。
個人でお店を経営されている方や、中・小規模の企業様が多いです。
皆様の共通項として、制作物にそれほどパフォーマンスを求めていないというのが挙げられます。
バナーやWebサイトがないのは困るのだけど、そうしたものへ依存が強い経営スタイルではないので、クリック率とかPVとかはあまり気にしないという事ですね。
この流れから、カタチだけあればいいコンテンツ制作の仕事はどんどん消えていくだろう事が推測できます。
これから残る案件・残る制作者
それでは残るのは何かというと、存在してるだけじゃ困る制作、ですよね。
クリック率の高いバナーや、アクセス&コンバージョン率の高いWebサイト。
制作作業そのものだけでなく、それによる売上UP等が期待されるわけなので、こうした案件にはそれなりの報酬もついてきます。
そして残る制作者というのも、そうしたオファーに対応できる人だけになる。
アプリケーション操作やHTML/CSSがわかる、ちょっとシャレたデザインができるというだけでは今後は難しくなるでしょう。
結果を意識した制作を心掛けるだけで、アウトプットが全然違う
とはいえ、こうした「結果」は、確実な予測ができません。
例えば、制作したバナーが良いパフォーマンスだったとして、それはデザインが巧みだったのか、キャッチコピーが上手かったのか、バナーの内容自体が魅力的だっただけなのか、正確には判断できなかったりします。
ABテストや新旧比較等もできますが、どんなに研究・分析しても、なぜ上手く行ったのか(行かなかったのか)わからない、というのは結構あるんですよね。
ただね。制作者の姿勢として、こうした効果を上げる事を意識して作るのとそうではないのでは、結果の打率に大きな違いが出ることは断言します。
スクール制作課題におけるバナー作品などは、規定のコピーや素材写真を上手くまとめる事に注力しすぎて、意図がおざなりになってしまうケースが非常に多いです。
例えばバナーのお題が「アパレルの期間限定30%OFFセール」だった場合。
バナーの目的が捉えられていれば「30%OFF」というテキストや、セール期間を目立たせよう、などと思いつけるワケですが、
とにかくオシャレなデザインにしよう
↓
キレイなモデルさんの素材写真を大きく使おう
↓
だから30%OFFの文字は小さくしよう
のような方向へ向かうと、見栄えだけ美しくて成果が出ないモノが出来上がってしまうかもしれません。
コーディング技術を必要としないバナー制作は、大抵のスクールで初期に出される課題です。
学習時期を考えると、慣れないアプリケーション操作に必死、と言うのもわからなくはないのですが、将来的にそのバナーがポートフォリオの中に収まるわけですからね。
こうしたコトが意識できた作品作りをしておくと、最初のお仕事がスムーズに決まるかもしれません。
プロに必要なモノとは
結果・効果・成果。
こんな言葉だけを並べると、つい戦略やテクニックのようなものを求めてしまうかもしれませんが、そうではありません。
何かのノウハウに乗っ取って、ユーザーに何かを押し付ける事でもありません。
必要なのは、相手にとって有用な情報を、わかりやすく伝えたいと思う気持ち。
フォトショやHTMLのプロじゃなくて、コミュニケーションのプロであるという意識です。
どうしたらユーザーとクライアントを笑顔にする事ができるかを考える。
もちろん自分を笑顔にすることも大切です。
課題の高得点とか案件獲得とかではなくて、制作物の周囲にいる人達、全方位を見る事のできる人には、今後も活躍の舞台がたくさん用意されるでしょう。