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【講師が解説】Webデザインの学習期間がスクールごとに大きく違う理由

【講師が解説】Webデザインの学習期間がスクールごとに大きく違う理由

Webデザイナーになるためのスクールはたくさんありますが、調べてみるとその学習期間は数ヶ月から年単位と大きく異なりますよね。

同じテーマを学ぶのにどうしてこれだけ差が出るのか?
自分に適した学習期間はどうやって見積もればいい?

スクール講師が説明します。

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    私が勤めたスクールでもバラバラ

    まず、私が講師経験のあるスクールについてご紹介。

    オフライン(通学)スクール:4年制・2年制・夜間(3時間×週3×2年)
    オンラインスクール:6ヶ月・4ヶ月・サブスク制

    いずれも、学習のコアとなる以下の内容は網羅されています。

    ・デザイン用アプリケーション(Illustrator/Photoshop)の基本操作
    ・Illustrator/Photoshopを使った制作演習
    ・Web制作の必須言語であるHTML/CSSの学習
    ・HTML/CSS言語を使って簡単なWebサイトを作る
    ・各種課題制作

    同じ事を勉強してるのに、時間尺が全然違いますよね。
    それでは、その時間差の謎を紐解いていきます。

    学習時間の密度が異なる

    Webデザインのスクールでは、オフライン(通学制)でも、在学期間中朝から晩まで毎日学習するということはあまりありません。
    一般的な大学でも、学年や選択した講義によっては週3日だけの通学や、午前中だけの出席でよかったりする事がありますよね。
    そうしたスケジュールの過密具合がスクールごとに異なるので、結果トータルの在学期間に反映される一要因となります。

    オンラインスクールの場合は、学習期間が決まっているのであれば、受講者が自ら都合の良い時間で学習を進め、期日までに課題を提出すれば修了できる、といった流れが大方になります。在学期間の短いスクールほど、当然忙しいスケジュールになります。

    サブスク制の場合は言わずもがなですが、在学期間を自分で決めることができます。コストこそかかる可能性がありますが、自分のペースで焦らずに学習できるという点では安心です。

    自習時間の割合が異なる

    Web制作を学ぶのであれば、どのスクールを利用していても、予習復習や課題制作のための時間が別途必要になります。
    ただ、学習期間の長いスクールほど、ちょっとした演習や反復学習の時間も含めたカリキュラムになっているので、その分自習時間を減らす事ができます。

    私が教えていたオフラインのスクールでは、通常講義の合間にしばしば課題制作のための時間も設けられていました。
    各自のペースで制作を進めてもらって、わからないところがあれば都度私がフォローする、もくもく会のような過ごし方です。
    独りで制作するより多少効率もよくなりますし、ここで制作が捗れば家に持ち帰る作業も少なくなります。

    課題の量が異なる

    在学期間が長いほど、課題の数も多くなります。
    課題の主な内容は、架空案件のバナーやWebサイトの制作です。

    案件の設定や仕様を変え、ボリュームも少しずつ増やしながら、都度難易度の高くなる課題を次々とクリアすることで、アプリケーションの操作スピードが上がり、言語も自然に頭に入り、デザイン能力も上がっていきます。
    課題が多ければ、当然学習期間中の生活も忙しくなりますが、こなした課題が多いほど腕が上がるので、そういう意味では長期のスクール環境は恵まれています。

    また、就職活動時には、在学中に制作した課題をまとめたポートフォリオ(自分の作品集)を用意する必要があります。作品数が多ければいいという事は決してありませんが、長期のスクールに通っていればそれなりの作品ストックができるので、時期を迎えた時に、ポートフォリオ作りに困る事はないと思います。

    一方で、独学や短期スクールでは、作品数に心細さを感じる場合があるかもしれません。
    その際は、強い意思こそ必要になりますが、自ら架空のテーマ・クライアント等を設定して、自主的に制作に取り組んで作品を増やせば大丈夫です。

    制作期間が異なる

    課題一つにかける時間も、学習期間の長さに比例します。
    在学期間の長いスクールでは、一つの架空案件課題に対して、コンセプトやターゲット設定、サイトマップの作成等、各工程を丁寧に進めながら、じっくりとプロジェクトを仕上げることができます。

    短期のスクールの場合、こうした企画設計のような工程は各自の裁量に任される事になったり、課題そのもののボリュームもLPや小規模サイト等、コンパクトな内容になるかもしれません。

    学習内容の多様性が異なる

    長期で学習するスクールでは、デッサンや色彩理論など、デザインに関する知見を広げられる講座が設けられている所もあります。
    必須受講なのか選択式なのか忘れてしまいましたが、私の勤めたスクールにもありました。
    こうした科目、正直実践的とは言えないのですが、学問としてのデザインをしっかり抑えたいという方には魅力的です。

    その他の技術に対するフォローが異なる

    冒頭で紹介したアプリケーションと言語はWebデザインにおける必須スキルなので、どのスクールを選んでも必ず習得する事ができます。
    では、それ以外の内容はどこまで対応してくれるのかというのも学習期間に大きく影響します。
    例として、以下のような内容がカリキュラムに含まれているかは、スクールごと異なります。
    (それぞれがどういった言語・技術なのかは割愛します)

    ・JavaScript
    ・jQuery
    ・WordPress
    ・PHP

    その他、厳密にはWebデザインの技術範囲ではないプログラム言語やデータベースなどの基礎を教えてくれるスクールもあります。
    就職のことを考えると、なるべく多くの言語やライブラリを扱えるようになっておきたい、というのが学習する側の本音だと思います。
    ですがこの辺りは手を広げるとキリがありませんし、完璧に全てを網羅してくれるスクールないので、どこかで手を打つ必要があります。

    最低学習時間ってどのくらい?

    学習期間(在学期間)の振り幅についてはこれまで見てきた通りですが、それでは、最低限の基本事項だけをぎゅっとコンパクトに学習するとしたら、何時間くらいかかるのでしょう?
    参考に、私がやっていたプライベートレッスンのカリキュラムをご紹介します。

    ・Illustrator(12時間)
    ・Photoshop(12時間)
    ・HTML(12時間)
    ・CSS(12時間)

    週1×3時間で進めていたので、トータルで4ヶ月のコースです。
    何もない状態から自力でデザインを考えて、Webサイトとして構築できるようになるのに十分な内容まで網羅されています。
    作品制作のための時間は個人差があるのでこの中には含まれていませんが、あくまで目安としてご紹介しておきます。

    まとめ

    スクールごと、なぜ学習期間に差があるのかを見てきました。

    • 学習プランの密度で差が出る
    • 課題数で差が出る
    • 課題の制作時間でも差が出る
    • 必須でない学習内容の対応具合で差が出る(デッサン、色彩理論、WordPress、PHP等)

    最後に、スクール検討中の方にお伝えしたいのは、学習期間の長短によって学びに当たり外れが出るわけではないという事。
    常識的な経営をしているスクールであれば、そのスクールなりの独自ノウハウを元に考案されたベストのカリキュラムを提供しているはずなので、どこを選んでも失敗はありません。

    大切なのは、自分のライフスタイルに無理なく受け入れられるものを選ぶ事。
    ・どこまで、どれだけ学びたいのか
    ・どのくらいの密度で進めるのか

    挫折してしまっては元も子もありません。
    短期で履修を終えたから、もしくは長く在学したから優れたデザイナーになれるという事でもありません。

    どこで学んでも大丈夫。
    安心して、あなたにとってのベストスクールを選んでください。

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