レンちゃんとペンタ

【矢印や吹き出しも作れちゃう】CSSだけで作れる三角形

【矢印や吹き出しも作れちゃう】CSSだけで作れる三角形

CSSのボーダーの特性(といっていいのかな?)を利用すると、スタイルシートだけで三角形が作れます。
矢印や吹き出しみたいなデザインに便利です。
画像を利用した実装に比べて、色や大きさをすぐ調整できるのも大助かりです。

この記事で分かること

  • CSSで三角形を作る方法
  • CSSで三角形を作るメリット

    Webデザインとブログで豊かに引きこもる。

    レンちゃんとペンタ

    Webデザインは器。ブログは中身。
    「レンちゃんとペンタ」では、2つのスキルを掛け合わせて、
    おウチで豊かに楽しく暮らす方法をご紹介しています。

    スタイルシートで三角形を作るしくみ

    上向き三角形

    実は、三角を作るためのCSSがあるわけではなく、ボーダー(border)サイズ設定の特性を利用して三角形に見せている、というのが種明かしです。
    以下はCSSだけで描いた上向き三角形です。

    こんなスタイルシートでできています。

    width: 0;
    height: 0;
    border-bottom: 34px solid #0273E5;
    border-left: 20px solid transparent;
    border-right: 20px solid transparent;

    ちょっと理解に苦しむ内容ですが、

    1.要素自体のサイズは幅0、高さ0にする
    2.三角形の本体はborder-bottomで作る(border-bottom:34pxが三角形の高さになる)
    3.border-left / border-rightで透明のボーダーを施すと、2で作ったボーダーが左右から20pxずつ削り取られて、三角になる

    という考え方です。

    正三角形を作りたい場合、辺や高さは以下のような比率で求められるので、

    正三角形の比率
    ちょっと数学チックですが

    「border-bottom : border-left : border-right = 1.7 : 1 : 1」
    で設計すれば正三角形になります。

    その他の向きの三角形も、各ボーダーの役割を交代させて作ることができます。
    一応サンプルを載せておきますね。

    下向き三角形

    border-bottomにやらせた仕事を、border-topで行えば下向き三角形になります。

    width: 0;
    height: 0;
    border-top: 34px solid #0273E5;
    border-left: 20px solid transparent;
    border-right: 20px solid transparent;

    右向き三角形

    こちらも考え方は同じです。

    width: 0;
    height: 0;
    border-left: 34px solid #0273E5;
    border-top: 20px solid transparent;
    border-bottom: 20px solid transparent;

    左向き三角形

    border-leftで行っていた設定がborder-rightに変わっただけですね。

    width: 0;
    height: 0;
    border-right: 34px solid #0273E5;
    border-top: 20px solid transparent;
    border-bottom: 20px solid transparent;

    画像ナシ!CSSだけで作る矢印と吹き出し

    この仕組みを利用してよく作られているのが、矢印と吹き出しのデザインです。

    矢印の作り方

    ここでは、こんな矢印を作ってみます。

    詳しくはこちら

    画像を使わないので、HTMLはこれだけで済んじゃいます。

    <p>詳しくはこちら</p>

    続いてCSS。三角形部分は疑似要素(::before)で作り、位置をpositionで調整します。

    p{
      position: relative;
      padding-left: 17px;
    }
    
    p::before{
      /* 擬似要素なので必須 */
      content: "";
    
      /* 三角の色やサイズに関する設定 */
      width: 0;
      height: 0;
      border-left: 10px solid #0273E5;
      border-top: 6px solid transparent;
      border-bottom: 6px solid transparent;
    
      /* 三角の位置に関する設定 */
      position: absolute;
      top:7px;
      left:0;
    }

    これだけで完成です。
    CSS周りはちょっと忙しくなりますが、HTMLはp要素だけでスッキリ仕上げることができます。

    足付き矢印の作り方

    さらにもう一つの擬似要素である::afterを足して、足付き矢印も作ってみます。

    足付き矢印

    ・テキスト本体はp要素で作る
    ・矢印の三角部分は::before要素で作る
    ・矢印の足の部分は::after要素で作る

    という考え方です。
    HTMLは先ほどと同じp要素だけ。
    CSSは、矢印の足の部分だけ::after要素としてに追加します。

    p{
      position: relative;
      padding-left: 17px;
    }
    
    p::before{
      /* 擬似要素なので必須 */
      content: "";
    
      /* 三角の色やサイズに関する設定 */
      width: 0;
      height: 0;
      border-right: 10px solid #0273E5; /* 矢印の向きを左に */
      border-top: 6px solid transparent;
      border-bottom: 6px solid transparent;
    
      /* 三角の位置に関する設定 */
      position: absolute;
      top:7px;
      left:0;
    }
    
    /* 矢印の足の部分を追加 */
    p::after{
      content: "";
      width: 6px;
      height: 6px;
      background: #0273E5;
      position: absolute;
      top: 10px;
      left: 8px;
    }
    

    吹き出しの作り方

    矩形にちょっと三角を添えれば、吹き出しにもなっちゃいます。

    吹き出し

    HTMLはやっぱりこれだけでOK。

    <p>吹き出し</p>

    CSSはこんな感じです。
    本体のp要素に背景色をつけて、やはり::beforeで同系色の三角形を足しています。

    /* 吹き出しの四角部分 */
    p{
      position: relative;
      width: 200px;
      border-radius: 5px;
      margin: 0 auto; 
      padding: 20px 0;
      background: #AFF1FD;
      text-align: center;
    }
    
    /* 吹き出しの三角部分 */
    p::before{
      content: "";
      position: absolute;
      width: 0;
      height: 0;
      bottom: -26px;
      left: calc(50% - 13px);
      border-top: 26px solid #AFF1FD;
      border-left: 16px solid transparent;
      border-right: 16px solid transparent;
    }

    スタイルシートで三角形を作るメリット

    画像を利用せずにCSSで三角形を作ると、こんな利点があります。

    ・構造(HTML)とデザイン(CSS)の分離
    ・色やサイズ、位置の調整がラク

    構造(HTML)とデザイン(CSS)の分離

    ・テキスト部分(「詳しくはこちら」など)→文書構造(HTML)
    ・三角部分→装飾(CSS)

    のように、それぞれの役割を適切に分担させる事ができます。

    色やサイズ、位置の調整がラク

    矢印の色を変えたい、吹き出しの三角部分のサイズを大きくしたい等、制作では微調整が多々起こります。
    要素を画像で作成している場合は、一旦IllustratorやPhotoshopなどに戻って、画像の書き出しからやり直さなくてはいけませんが、CSSなら数値をちょこっと変えるだけで変更できるのでラクチンです。

    まとめ

    CSSで作る三角形まとめ
    • CSSの特性を使って、三角形を作る事ができる
    • CSSで三角形を作ると、構造とデザイン(HTMLとCSS)の棲み分けがしやすい場合も
    • CSSで作る三角形は、画像より修正がラク

    この方法はかなり昔からある用法らしく、また偶然三角形に見えてる感も否めなかったので、そのうち使用できなくなるのではないかと思っていたのですが、現在でも安定して使えています。
    ボーダーの解釈や、擬似要素との組み合わせが入った時のややこしさはありますが、理屈がわからなくとも、本ページのコードをコピーしてカスタマイスすれば利用できますので、ぜひご活用ください。

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